| FW | CF WG |
= センターフォワード = ウィング |
|---|---|---|
| MF | OH SH(WB) DH(volante) CH |
= オフェンシブハーフ = サイドハーフ(ウィングバック) = ディフェンシブハーフ(ボランチ) = センターハーフ |
| DF | CB(stopper) SB SW LIB |
= センターバック(ストッパー) = サイドバック = スイーパー = リベロ |
(1)4-3-3 FLAT LINE
4-3-3システムの発祥はブラジルと言われ、4-2-4システムの変形として生まれたものだ。
現在では南米やオランダナショナルチームを中心に、 それらの流れをくむアヤックスなどのオランダの国内クラブ・ バルセロナなどオランダ関係者が多く関わった国外のクラブなどで広く用いられている。 攻撃面での主な特徴は、ピッチに均等に配された選手を生かして展開するボール支配率の高いパスサッカーだ。 そのため全般的に選手はテクニックに優れ、中盤の人数が少なくてもパス回しに支障はない。 足元でつなぐ速いスピードで展開されるショートパスでかき回すか、WGの突破力を生かしてサイドから崩していくかのどちらかで、 そのためWGやCFには非常に優秀な選手が置かれる事が多い。反面、繋ぐことを意識するあまりパスのリズムが一定になってしまい、 試合が進むにつれて相手が慣れてしまうという欠点がある。 守備時には中盤の人数が少ないことから当然相手にサイド側にスペースを与えることになるのだが、 通常は試合を支配して相手の攻撃機会を与えないか、又はSBが高めに位置してそのスペースをケアするなどの方法で対応している。 高い位置にSBがいるということは当然ボール回しも容易になり、ボールポゼッションは高まる要因の一つになっている。 そのため攻めにかかっている場合にCB2人だけを残した2バック状態になることも珍しくない。 |
(2)4-3-3 Total Football
4-3-3システムを用いてサッカーに革命的な戦術を持ちこんだのがこのとき1974年のオランダ代表とアヤックスだった。
それまでのオランダ代表は欧州の中で注目されるような国ではなかったが、 ほとんどのメンバーがミケルス監督のもとで既にトータルフットボールのメソッドを導入していたアヤックス所属だったために 当時のオランダ代表はその方法論の紹介役という意味合いが強い。 高く保たれたDFラインと前線から中盤にかけてのプレッシング理論により試合全体を支配してしまおう、 という大胆な試みはオランダ人独特の着眼点だった。 加えて攻撃する時間が増えるとともにポゼッションを前提としてポジションチェンジなど 現代サッカーへとつながる要素が生み出された。 攻撃時には前線のフリーマンであるクライフの指示(左WGのポジションから指示する場面が多かった)を中心としたボール回しと、 ポジションチェンジを繰り返し、守備時にはプレッシングを用いて極めて攻撃的にボールを相手自陣で奪うプレーを繰り返した。 現在オランダがトレセン教育の段階から4-3-3システムを基本とした育成システムを構築していることは非常に有名な話である。 |
(3)3-4-3 DIAMOND
究極的なまでに攻撃に人数を割いた非常に攻撃的なシステムがこの3-4-3システムである。
4-3-3システム同様に、これも3トップシステムを採用する国やクラブでよく使われるシステムで基本的なコンセプトは4-3-3と変わらないのだが、 攻撃時には中盤の両サイドが起点となりつつ、WGを追い越す動きも出来るために4-3-3よりもサイド攻撃が有効になっている。 このシステムで特に難しいのがOHのポジションで、ただ能力のある選手を置いても機能させることが出来ない。 このポジションの代表的な選手にはリトマネンやベルカンプなどがおり、 テクニックとセンスと得点力と球離れの良さをも併せ持った選手でしか務めることが難しい。 守備時のディフェンスの脆さもあり、実際には4-3-3システムの方がより多く使われている。 |
(4)3-4-3 BARCELONA
現役時代にアヤックスに所属しオランダ代表として活躍した天才クライフが監督として率いたのが1993年のバルセロナだった。
ただでさえ攻撃に寄った4-3-3システムに攻撃的な3バックを最初に導入したのも彼だった。 クライフはミケルスのあみ出した4-3-3によるトータルフットボールをより洗練した形で実践すべく、 攻撃にできるだけ多くの人数を割けるよう3-4-3システムを採用した。 3バックも単なる3バックではなく、味方の攻撃時には大きく両サイドに開くことでそこを攻撃の起点とした。 またリベロのクーマンはその正確過ぎるほどのフィードキックやミドルシュートを駆使し、攻撃サッカーの象徴的存在となっていた。 とにもかくにも超ハイレベルなテクニック集団のポゼッション能力と比類な得点力はこの年のチャンピオンズカップを制するほどのものであったが、 クライフが在籍した5年間の中でこの大会を制したの1回のみで後の4年間はパッとしない成績に終始している。 ちなみにバルセロナのチャンピオンズリーグでの欧州NO.1の称号は、後にも先にもこの一回のみである。 スペクタクルな試合も多いものの安定性の欠如という問題を抱えており、国内での成績があまり良くないのも戦術的な幾つかの問題を抱えていたことの表れでもある。 |
(5)3-4-3 AJAX
オランダの名門アヤックスがファンハール監督を迎えて作り出したのがバルセロナ同様3-4-3システムを用いたチームだった。
前述の3-4-3システムの特徴を捉えながらも若手の才能ある選手が多く在籍していたことも幸いして組織的な攻撃力を生かしての ファンハールの独特の方法論による戦術がシステマティックに機能する3-4-3を生み出した。 常に6割を超える圧倒的な支配率と90分間常に攻撃しつづけ圧倒的は力を誇りながらも、チームのマンネリ化と選手の流出を防げずに チームが自然崩壊してしまった。 |
(6)3-4-3 ARGENTINA
2002年ワールドカップの予選から本選にかけて見せたのが、アルゼンチンの3-3-1-3システムだ。
世界最高のタレント集団により爆発的な攻撃力を持ったチームを作った監督のハビエル・ビエルサは趣味は サッカービデオの観賞という生粋のサッカーマニアであると同じにトータルフットボールの信奉者の1人だ。 3トップの弱点であるスペース不足による攻撃の停滞とリズムチェンジの難しさを、 ドリブルに特徴を持つオルテガという強い個性を使い切ることで解消することにより成功した。 オルテガはWGというよりもサイドに張り出したOHといった感じで、 シンプルにボールがまわる中でも1人ドリブルによる突破を頻繁に繰り返す。 だがこのドリブルが結果的に前線のタメを生み、ポジションチェンジやサイドの上がりをうながしていた。 ビエルサの選手の個性まで計算した緻密なチーム作りは、ともすればチームにマイナスに作用しかねないオルテガを攻撃のリズムを 変えることのできる”スイッチャー”へと変化させた。 その一方で攻撃全体のコーディネートはベロンの組み立てとそこからのロングパスやサイドチェンジ、 さらに"切り札"として前線の攻撃が停滞したときのソリンの飛び出しという攻撃オプションまで用意するあたりも、 ビエルサがかなり自覚的にトータルフットボールの戦術を使っており、その弱点をカバーしようとしていたことがわかる。 ただ2002年ワールドカップでは、3トップシステムとそのオルテガにこだわり過ぎたことがかえって仇となり、 優勝候補最有力と言われながらも戦術が停滞したまま予選敗退という憂き目を見ている。 |
(7)4-2-3-1 REAL MADRID
現在スペインリーグのクラブを中心に流行しているのが4-2-3-1と呼ばれるシステムである。
その走りと言えるのが2000-01シーズンのレアルマドリードである。 慢性的なFW不足からワントップの戦術を用いたこの年のシーズン、 ライバルチームのバルセロナから世界最高峰のサイドアタッカーであるフィーゴを獲得するなど ユーティリティーな選手が中盤に揃うと、流動的なポジションチェンジと左はRカルロス、右はフィーゴからの攻撃が面白いように決まった。 特にワントップの動きを囮にしたラウルの抜群のポジションニングと、 その飛び出しに合わせるフィーゴのピンポイントクロスのパターンだけで多くの得点を生み出した。 左サイドのR・カルロスの驚異的なオーバーラップを引き出すような特徴的な前線の動きは、 エルゲラのカバーリングも含めてスピード感に欠ける前線の走力を補って余りあるものがあった。 |
(8)4-2-3-1 REAL BETIS
前述のレアル・マドリードが主に中盤の構成力を生かすタイプの4-2-3-1システムである。
同タイプにはバレンシアやラコルーニャなどの強豪が名を連ねている。
一方、スペインで一般によく用いられているのがサイドの突破力を生かした4-2-3-1システムだ。 ここで紹介するベティスなどの中堅クラスのクラブで広く用いられている。 特徴的な動きとしてはサイドの突破力と生かした早い仕掛けのカウンター攻撃とSHのほとんどFWに近い前線への飛び出しだ。 特にベティスではサイドの突破力を有するSHを両サイドに配置しており、更に積極的に一対一を仕掛けていく。 また中盤では高い身体能力とフィジカルコンタクトでアスンソン、ホアキンなどを中心に激しくプレッシングをかけている。 |